ヴァンキッシュ[VANQUISH]のレビュー

2014年1月29日 カテゴリ: ゲーム, レビュー, ヴァンキッシュ
ヴァンキッシュ [VANQUISH]

総評

PS3とXBOX360にて発売されている三人称視点によるアクションシューティングゲーム(TPS)で、コロニーがあるような未来の戦場を舞台にしています。

次から次へと沸いてくるロボットの敵をひたすら撃ち倒していくゲームで、武器のレベルアップはそのワンプレイの間だけ有効で次回のプレイには引き継げないので育成要素といったものは皆無で、ストーリーは有って無いようなゲーム構成になっています。

言うなれば、ハウス・オブ・ザ・デッドの肥大化バージョンといったところです。

プレイヤーが操作する主人公の能力には、徒歩による通常移動、ライフルや手榴弾などの武器による攻撃、素手による近接攻撃、滑るように高速で移動するブースト、転がって少し大きく移動するローリング、周囲より早く動けるARモード(スローモーション状態になる)が用意されており、これらを使いこなして敵を倒していきます。

基本的な戦い方は、「ブーストとローリングを組み合わせての移動からARモードを発動して射撃」になります。

他の戦争物のFPSやTPSのゲームのように、物陰に隠れて撃つ時だけ顔を出すという戦い方は通用しません。難易度にもよりますが、これをやると顔を出した瞬間に高確率で瞬殺または瀕死にされます。

こういった基本的な機能から『ハイスピード、ハイテンション、爽快感』といった言葉を売り文句にしているのだと思いますが、実際にプレイしてみるとどうもしっくりきません。

『ハイスピード』はブーストによる移動を指しているのだと思いますが、ちょっと想像していたハイスピードとは違いました。もっと機敏にメリハリのある動きを想像していました。例えば、動き始めにバゥン!と爆発音に近い噴射音がしてヒュッと一定距離移動してピタッと止まる。そしてこれをジグザグに繰り返しながら敵に迫っていって倒したり、複数の遮蔽物を渡り歩いて攻めていくなど。

律儀というか何と言うか仰々しい体勢の変化のモーション、掃除機みたいな鈍い噴射音、操作性の悪さが相まって、ハイスピードとは逆に鈍臭い印象すら受けます。もちろん、普通に歩いているよりはハイスピードですが・・・。

また、以下の悪い点にも書いていますが、操作量が多いわりに得られる結果が少ないので、『爽快感』ともほど遠いものがあります。

唯一合っていると思えたものは『ハイテンション』です。チョロっと顔を出すと瞬殺または瀕死に追い込まれるので、瞬きをしている暇もないほど緊張感はあります。

ゲームの構成についてですが、プレイさせる部分とムービーでストーリーを進行させる部分がちぐはぐしていて、本来ならプレイして進めるべきところをムービーであっさり流して終了なんていう場面が多くみられます。

また、ストーリーも途中で終わるため非常に不快感を持ってエンディングとなります。

制作会社か制作チームの癖なんでしょうけど、「最後にもう一押し」がないんです。J-POPでいうとAメロ、Bメロ、Cメロで終わるようなもので、最後にもう一回Cメロが来てそこをクライマックスにして終わるでしょっていうところがありません。

ストーリー進行の中で小さく区切って見ていっても、「最初は大きく見せて、最後は小さく終わる」が繰り返されています。最高にヤバイ状態だと煽っておきながら簡単に解決するなど。小さいパーツとして見ても寄り天、全体を通してみても寄り天、という状態なので、肩透かし、尻すぼみ、中途半端、物足りなさ、投げやり、手抜き、そんな印象を受けて終わります。

さて、ゲームの難易度としては非常に難しい部類に入ります。諸々の理由から、単に難しいというよりは変な難しさになっているといったところです。

キャラ操作とカメラ操作の連動や音の使い方、瞬間的な視認システムあたりを改善するだけでも、もっと伝わりやすい楽しい難しさを提供できたのではないかと思います。

ダメな部分をマゾい縛りとして楽しめるか、アクションシューティングというだけでクリアできるか否かに関わらずヨダレが止まらないほど大好きか、クッパの攻撃を1時間避け続けているだけでも飽きない人か、「マリオ?R-TYPE?念じるだけでクリアだろ」ぐらいな人にはやってみる価値はあります。

「アクションシューティング系はわりと得意だよ」程度でしかもトロコンしないと発狂してしまう性格の人にはおすすめできません。そういう難易度です。

設定、システム、演出などの一部を細分化して見ていくと、その一つ一つは非常に良い部分を持ちながらもそれらが見事にかみ合っておらず、結局一つのゲームとして見た時にクオリティが低くなってしまっています。

残念ながら、手の抜きどころを間違えた駄作といえます。


良い点

キャラの質感がFF系のキャラみたいにゴムゴムしていない

パンッパンのツルッツルでゴムゴムしているファイナルファンタジー系のキャラクターの質感と違って、良い意味で汚く描かれているので、よりリアルさと親近感を覚えます。

ヴァンキッシュ [VANQUISH]

パケ絵が正直

サムがブーストしているパケ絵、障害物を乗り越えているパケ絵、何の魅力もないです。パッとしません。

それがこのゲームの中身とマッチしているので、非常に正直にパケ絵を作ったところは感心しました。

トーキョージャングルのようにダメなゲームのわりにパケ絵がピカイチというものは非常に厄介です。

基本的に特筆すべきことがない

総評でも少し触れたように、細かくパーツに区切ってみると「これはこれで良し」というものが多くみられます。

ただ、それらパーツが沢山組み合わさった時に、お互いが別々に主張しているだけで何らプラス方向に機能していません。

この機能とこの機能が組み合わさったから操作性の向上や楽しさの広がりを作り出せたとか、この雰囲気のタイミングで異質のシーンを挟み込むことでストーリーや人物に深みを出せたなど、狙った相乗効果があるのが普通ですが、それがないどころか逆にお互いが足かせになりあってしまっていて、「なぜこの機能をつけた?」になり「最終的にどうしたかったの?」という疑問が生じるように、どういうふうに遊ぶゲームにしたかったのかがぼやけてしまっています。

ということで、小さく見れば何でもなかったものが、合わさると悪い点になっているため、以下「悪い点」にまとめています。


悪い点

操作性が悪い

アクションでは思い通りにキャラクターを動かせるかどうかがゲーム全般に対して非常に重要なことですが、このゲームではそれがなっていません。

歩くという通常移動に関しては全方位移動ができカメラも自由に動かせるので問題ありません。しかし、戦闘状態に入った時の操作性は格段に悪くなります。

■ まずローリングですが、ローリングはキャラクターが向いている方向を基準に、前・後・左・右の四方向にしか飛ぶことができません。

なので、戦闘中の移動に欠かせない連続ローリングをすると行きたい方向に行けない操作性の悪さが顕著に表れます。

もちろん、カメラを細かく動かしながら連続ローリングをすれば全方向にローリングできることになりますが、これをするには「右手モンハン持ち」にして右親指でアナログRでカメラ操作、右人差し指で×ボタン連打で連続ローリングしなければいけません。そして撃つ時になれば右中指でR1、アイテム取得には右薬指でR2・・・。そしてまた連続ローリングと・・・。

この状況でこの持ち方でブレなくハイスピード&ハイレベルな戦闘をするのはまず無理です。物理的に不可能ではありませんが・・・。

■ 次にブーストですが、ブースト時にはキャラクターの移動の仕様が通常移動とは変わり、滑り出した方向はそのまま固定で横方向に平行移動する動きになり、カメラが向いている方向が照準になります。

ブースト中のキャラの動きとカメラは連動しているため、進行方向を変えたい場合はカメラを動かすことになり、同時に照準も動くということになります。

このようにキャラの操作とカメラの操作が連動する仕様になっているため、ブーストしたキャラを四方八方に動かしながらカメラ(照準)を自由に動かして敵を倒す、または、ブーストで滑りながら左右や後方にカメラを向けて状況を目で確認する、といった操作やプレイはできないため、非常に操作性の悪さ、わずらわしさを感じるところであり、戦闘のテンポを悪くして爽快感を損ねてしまっています。

レーダーには地形も敵とプレイヤーとの高度関係も表示されないため、滑っている時こそ周囲の状況を目視で把握しておきたいのですが、それが出来ません。

■ ローリングは×ボタン、カメラアングルはRスティック、というボタン配置のため、連続ローリング中はカメラを動かせません。このゲームでは視界に入っている敵にしか基本的には対処できないため、連続ローリングを止めてカメラを修正すると、その連続ローリングが止まった一瞬の隙にバンバン撃ち込まれて瀕死又は即死なんていうことが普通に起こります。

ローリングとカメラを同時に操作できない仕様だけを見ればそれはそれで構いません。また、止まることが致命的な仕様もそれはそれで構いません。しかしこの二つの仕様がかみ合っていないところがいただけません。

ボタン配置を変更する、又はそもそも操作可能な機能を見直すといった改善が必要で、最初から最後まで「こういうふうにプレイさせる」という点がブレまくってその度にあーでもないこーでもないと操作等を見直していったかのような仕上がりになっているように見えます。

操作量が多すぎる

ザコ1匹倒すのに移動を省いてもこれだけボタンを押さないといけません。

横飛び時: Lア+×, L1, Rア, R1, Lア+×

縦飛び時: (Lア+L2, )○, L1, Rア, R1, Lア+×

()内の操作は状況によっては不要

それに加え、ブーストを織り交ぜながら連続ローリングで常に動き回っていないといけません。

この操作量に対して得られる結果があまりにも小さい上に時間も掛かります。そのため、とても爽快感は感じられません。

もっと操作量が少ないか、又は一度の操作で大量に敵を倒せるのであれば、爽快感に繋がったはずです。

またそれだけではなく、この操作量が延々と同じような敵を相手に繰り返されるため、達成感すら感じられないほどうんざりぐったりしてしまいます。

たしかに売り文句のように操作を早めて急いで進めればスピーディ、ハイスピードな戦闘になりますが、終始ボタンをガチャガチャガチャガチャ押しているため、クリアした時には「はぁ、やっと終わったよ・・・」という疲労感だけが強く残ってしまいます。

瞬間的に状況を把握できる機能がない

一回のボタン操作で押している間だけ視界を広げたり左右や背後にパッパッと切り替えられるような、瞬間的に状況を把握できるスマートな機能がありません。

この機能は没入感に関係してくる何気に重要な要素で、これがないと例えば何か異変を察知した時に「確認する術が無いからとりあえずこのまま進んで出たとこ勝負で対処(半ば運任せ)」か「異変が訪れるまで待って処理する」という諦めの行動になってしまいます。

「察知(or 用心)→状況確認→行動決定」という流れをプレイヤーが自分の力で行えるようになっていればプレイヤースキルでクリアするゲームになりますし、同時に没入感も大きくなります。

ヴァンキッシュはそれが出来ないシステムなので、諦めてとりあえずコロコロするしかありません。プレイしていて×ボタン連打している自分がかっこ悪いと感じてしまいます。

視界や効果音のせいで戦闘のプレイスタイルを狭めてしまっている

キャラクターの操作とカメラの操作の連動が悪いので、視界に入っている敵にしか的確な対処ができません。それ以外はレーダーで敵の位置だけ(地形や高度は不明)を確認しながら、敵の射線に対して水平に近くならないように且つ囲まれないように、撃ってくるかこないか分からない攻撃に備えて×ボタン連打でコロコロ&ブースト移動し続けるしかありません。

分からないからとりあえずボタン連打

こういうのはあまりゲームとは呼べないような気がします。

そこで、視界に入っていない敵の攻撃を『音』で察知しようともしましたが、これがまた中途半端で、分かるものと分からないものがあります。

その分からなくなる原因は、ARモードを発動した際の「バシュゥゥゥゥ・・・」という効果音です。この効果音が敵の攻撃音をかき消してしまい、音による状況認識を的確に出来なくさせています。

目の前の敵に対処しつつ、視界に入っていない敵の攻撃を音で察知してタイミングを合わせて回避、というプレイが正確にできるシステムになっていれば、戦場を広く自由に感じられ、プレイにも広がりと爽快感を持たせられたはずです。視認していない敵の攻撃もプレイヤースキルで回避できるなんてこんな痛快なことはなく、楽しい、爽快、のめり込む、そんな状況を作り出せたはずです。

敵を1体ずつ視界に入れて対処、というこれだけの連続になるのでプレイが小さく進行が単調になってしまっているのが非常に残念なところです。

難易度のバランス調整がうまくない

このゲーム、「移動→ARモード→攻撃」という基本の鉄則スタイルを分かっていないと、一番簡単なカジュアルオートでも死にます。

それが分かっていると死にまくるということもなくゲームを進行できます。

基本的な遊び方を分かっているかどうかで難易度が変わる印象が強すぎて、難易度設定による変化があまり感じられません。

カジュアルとハード、ゴッドハードは流石にすぐに分かるほど違いますが、ノーマルとハードでいうとどちらも同じ難易度に思えるほどです。

味方NPCが馬鹿すぎる

とにかく邪魔

この一言に尽きる動きをします。

ローリングした際に丁度目の前に立ち塞がる格好になり射撃できなくて一旦戻って方向や位置を若干変えてローリングし直すなんていうこともまま起こります。特に狭い通路では。

ARモード中にゆっくり射線上に入ってくることもあり本当にピキッと・・・ブッと吹いてしまうw笑って手元がブレる。

自分から射線上に入ってきて撃たれているのにプレイヤーに文句を言う始末。

しかも敵をひきつける役目としてもいまいち。せめてもう少ししっかり生け贄役になってくれさえすればまだ可愛げがありますが。

タクティカルチャレンジではわりとバラバラに行動することが多いため特に邪魔には感じませんが、ストーリー中ではスタート地点から固まって行動することが多いため、ひたすら邪魔。邪魔邪魔邪魔。

もう少し彼らのIQを上げてもらいたいところです。IQ180のエレナとの差が激しすぎて、味方兵士たちが動物以下に見えてしまう・・・。

演出の稚拙さやプレイのメリハリの無さなどからストーリーがしょぼくて中途半端に見えてしまう

ストーリー自体はどこぞのドラマ「24」にありそうなものです。昨今はドラマや映画が溢れるほどあるので、全く見たこともない新しいタイプのストーリーを期待しているのではなく、どこかで観たようなストーリーをキャラやセリフまわし、演出、構成、プレイ部分のメリハリといった見せ方の妙でその世界に引き込む魅力的なストーリーになっていることを期待していますが、残念ながら以下の理由でそうはなっていません。

プレイ部分が単調です。

コールは大でレスポンスが小なパーツが随所に見られます。非常に期待をさせる演出やプレイを出したわりに、それに対する結果がしょぼかったりあっさりしていたりということです。

リザルト画面も含めて、その場の雰囲気を台無しにするカットが多い。例えば「よし!ここは片付いた次!何がくる!?」とグっと没入するタイミングでポンッとリザルト画面になり、その後何事もなかったように会話しながら歩いていたりすると、非常に白けて進行のテンポも悪くなります。

また、大きく危機感を煽るシーンを出しておきながら、次の瞬間お手軽にあっさり解決してしまったり、平然とした顔をしていたりなど、プレイや演出でのコール部分とレスポンス部分のカットがスムーズに繋がっておらず、非常に不自然に進んでいくところが気持ち悪いです。

プレイする視点から見ると、プレイする部分とムービーを挟む割合は良いのですが、本来プレイさせて物語を進行させるべき部分をムービーであっさり手短に片付けてしまっているため、尻すぼみというか尻切れトンボというか、煙にまかれて終わる感じがして非常に不快です。

例えば最後は大統領が勝手に自殺して終わってしまいますが、大統領を糾弾しに行くところまでをプレイできるゲームにしておけば、ハゲが逃げて続編を臭わす終わり方でも満足できます。最後にもう一押しが無い、このゲーム、どこをとって見ても本当にこれが多いです。

その他諸々ありますが、スペースコロニーなどという壮大な建造物や背景が出てきているにも関わらず壮大さや迫力に欠けますし、そんな中でロシアやアメリカなんていう単語が飛び交っても非常に空々しくチープに響いてしまいます。

ストーリー展開や演出に手抜き的なチープさが目立つ

特に気になった点をいくつか挙げます。

主人公サムのタバコの吸い方が、タバコを吸ったことがない人が吸いなれているかのようにかっこつけて吸っているように見えます。すんっっっごいかっこわるいです。

また、なぜタバコなんでしょう?主人公の性格や体験の豊富さなどを表現する目的なのかは分かりませんが、荒々しい面、余裕を持てるほどの冷静さ、実は不安を押し隠そうとする面も持っている等、主人公の性格や背景を表すアイテムとして用いるなら、その時代特有の架空の趣向品にしたりサムだけの変わった趣味にして、それに関する会話シーンを挟み込んだ方がストーリー全体をより深く作れたのではないかと思います。

ワンピースのサンジくんのキャンディーや相棒の大河内監察官のラムネのようなアイテムにして、子供の頃からの思い出の何ちゃら~とかにして、その部分で子供扱いするバーンズ、エレナがこっそり用意したキャンディーが画面の隅にチラっと映るなどの演出の方が安定して面白かったです。敵ロボットが反応する理由なんていくらでも付けられますし。

それにしても、プレイする立場から見て発売日の2010年を考慮してもタバコにいまいち共感や親近感を持てませんし、作中の視点からしてもこれだけの科学力がある中で未だにタバコが存在していることにしっくりきません。昭和のゲーム作品だったならタバコを選んだのもよく分かりますが・・・。

アメリカ大統領やロシアのクーデターの首謀者の周辺に補佐官などの人間が出てこないのが非常に不自然です。明らかに手抜きですよね。それなりのポストの人が周囲の人間の目がある中でこっそりと何かを企てているからこそ、よりヤバイ雰囲気がにじみ出るものです。そういった状況作りで手を抜いている感があるため、アメリカ大統領とか言われても「何このオバサン」状態ですし、首謀者にしても「なんだこのコスプレハゲ」状態です。

逃げ場を無くして飛び降りたサムをバーンズが空中で助けるシーンがありますが、落ちたら死ぬけど空中でキャッチしてくれるであろう仲間を信じて飛び降りるしかないという極限状態を演出しておきながら、いざ飛び降りてバーンズが空中でサムの手を掴んで飛行船に乗せるところの描写があっさり過ぎて迫力や緊張感がゼロ。

手と手を取り合うところは普通に握手したみたいな「パシッ」というライトな効果音が付けられていて、そこからヒョイッと難なく救い上げる質量感ゼロの演出。

普通に、落下速度に合わせて錐揉みになりながら必至の空中キャッチを見せ、手と手をとりあう効果音は「ドーン!」などのオーバーな効果音を付けて魅せるムービーシーンだと思います。ここは非常に手抜きを感じました。

最後、サムが死んだと思って泣き崩れたエレナのシーンは良かったのですが、そこから次のシーンでサムが現れて「サム、生きてたのね」のセリフの前後のエレナの表情が普通にケロっとし過ぎていて、「何ヶ月も後の話に飛んだの???」と不明瞭にすら感じられるほど流れが不自然です。

最後にアメリカ大統領が自殺して勝手に幕引きしてエンディングというのが一番白けました。ポカーンとなります。ここはプレイさせてクライマックスになるストーリー展開のはずです。

一つ大きな問題が解決。それで終わりかと思いきや大統領が関与していると知って断罪しに行く、となっていれば見応え、やり応えのある作品になりますが、その最後のプレイさせるべきところをムービーであっさり終わらせてエンディングにしてしまっているため、あっけに取られてしまいます。

いろいろあります。終始「?」になる感じです。

全体的な雰囲気をどうしたかったのかが不明瞭

シリアスで重厚でド迫力な雰囲気にしたいのか?、重要なシーンがあっさり流されているためライトな雰囲気にしたいのか?、はたまたエンディングまで見るとB級映画かバカゲーのノリにしたいのか?、などと色々浮かんできてどういったテイストに仕上げたかったのかいまいちはっきりと分かりません。

エンディングの前半のBGMなんて、あのふざけたミニゲームを抜きにしてみても完全に地球防衛軍的なバカゲーの雰囲気になっていて、それまでの雰囲気とは違っていて「なにをしたいの?どうしたいの?」という印象です。

シリアスな中に平穏な日常を思い起こさせるちょっとしたジョークのやりとりを挟むなら分かりますが、突然タガが外れた桶みたいな雰囲気をぶちこんできている意図がよく分からないです。

イギリスの番組にダンディ坂野が出演して(σ´∀`)σゲッツ!!してスタジオ中を唖然とさせたような異様な雰囲気です。

効果音がしょぼい

効果音が特にしょぼい作りです。発砲音や爆発音など、同じ原音を加工して作ったかのような代わり映えの無さ。

何よりもシーンの迫力を台無しにしてしまっている音付けには非常にがっかりさせられます。特に目立ったものは、巨大なゲートを破壊するシーンで、その破壊する音が「バーン!」。「ドッゴォォォァァァーーーンンン!!!」であるはずの音が、狙撃銃でも撃ったかのような「バーン!」という効果音。切羽詰った中でその巨大なゲートを破壊するというシーンが、重装備で挑んでいる主人公らが大げさすぎるように見えてしまうほどちっぽけな物に感じました。

また、上にも書きましたが、サムとバーンズが手を取り合うシーンのシェイクハンドの効果音が「パシッ」で、これも落下している武装した大人の男性で、しかも生死を分ける緊張感マックスの状況を演出しなければいけないはずなのに「パシッ」はちょっといくらなんでも・・・。サムの体重は2kg程度ではないはずです。

リアルさを強調したかったのだとしても、それなら周囲の音はカット又はハイカットして抜きでもっと時間を掛けて強調したほうが効果的且つ、SFという中ではそれが自然だったように思います。

ブースト音にしてもボォォという掃除機か口で「ボー」って言ったかのような単調で鈍いノイズのため、実際のスピードよりも遅く感じてしまいます。

もっと高音域も入ってくるようなスーパーカーみたいな音や、細かい周期の変化のある音の方がスピード感を演出できたかも。

なんにせよ、もう少し創造性があっても良かったのではないかと思います。

BGMは物足りない

良く言えばそつなくとも言えますが、まるで音ネタからそのままひっぱってきて当てはめたかのように薄くて味気ないです。

こういうデジタル系の音楽で良い曲となると、大抵はどこかにこだわりまくった音色が使われていたり、印象的なフレーズが入っていたりするものですが、そういった目立ったところがなかったのが惜しいところです。

ゲームの構成、プレイ、サウンドメイクなど諸々平坦な作りになっているので、せめてBGMだけでもこのゲームのために作ったんだなーと思えるぐらい、ヴァンキッシュといえばあのフレーズ、と思い浮かんでくるぐらい主張のあるものを作ってもらいたかったところです。

一本調子でダレる

「絶え間なく大量の操作をして一体ずつプチプチ潰していく」という操作が同じ調子で続き、しかも変わり映えしないロボットの敵だけ、音が同じような感じでずっと平坦でうるさく圧迫してくるということもあり、単純に指や目が疲れることも相まってやっぱり途中でダレます。

手抜きな演出などもありストーリー自体は短いのに、エンディングまでは非常に長ったらしく感じます。

ムービーが入ってきても、静かなプレイ部分があっても、空気感がほぼずっと同じでメリハリがありません。

こういう一本調子のところが「総評」の冒頭にも書いたように「ハウス・オブ・ザ・デッド」みたいに感じるわけですが、この手のゲームはアーケードで一過性でワイワイ楽しむから簡単な操作とルールでアリなのであって、据え置き機で家で一人でプレイする場合にはハウスオブザデッドがギリギリの長さですが、とはいえ、アーケードのようにプラス評価にはなりません。

バンキッシュはそれよりも操作量も多く時間も長いとなればその一本調子な面はマイナスにしか働きません。

プレイ部分による変化、プレイだけでなく音、シーンの変化、操作の変化などにももっと気を配って構成してもらいたかったところです。

敵の使いまわしでテンション下がる

敵は全てロボット(最後に人間の敵がわずかに登場します)で、人間と同じぐらいのサイズのロボットから何倍もある巨大なロボットまで登場しますが、敵の種類が非常に少ない上にボス格のロボットでも1体出た後に今度は2体出るという一番やってはいけない使い回しの水増し手法が取られており、尚且つゲーム進行が一本調子なことから、最初から最後まで同じ敵とばかり戦っているような印象を受けます。

日本語の口パクがずれまくっていて寒い

しゃべっている声とキャラの口の動きが全く合っていないので非常に気持ち悪いです。

あまりにも合っていない場合は、普通は録音する現場でセリフを言う速さやセリフ自体を臨機応変に変更するものですが、そういった細かい詰めの作業をやっていないのでしょう。

即死系のQTEがちょいちょいある

最近、QTEがあるゲームを一切やっていなかったのでうっかりしていました。これがあると分かっていれば絶対に買いませんでした。例えセールで500円だったとしても。

そんなに悪いというほどでもないQTEもありますが、わざわざそれを入れるとゲームがどのように面白くなると考えたのかがよく分かりません。

ただ、QTEの表示がその場の雰囲気と浮いていない色使い、デザインだったのは良かったです。

こんなことあんなことがあって以来、100%QTE拒絶体質になってしまいました。

その他

■ 武器を切り替えた際の名称の表示に時間を掛け過ぎていてじれったい。

特に慣れないうちは現在装備している武器を確認する動作が多くなりがちですが、その度にこの無意味な文字表示エフェクトにイライラさせられるのは地味にストレスになります。

■ 特殊な戦闘スタイルが基本になっているため、プレイしながらのチュートリアルが絶対的に必要です。最初に小部屋でやるタイプのチュートリアルではなく。

■ プレイ中にグレードアップさせた武器は保存されません。そのストーリーが終わればまた最低レベルから強化し直しになります。楽しく周回できる、周回しただけの何かが残るシステムを設けるべきでした。

■ レーダーゲーのわりにレーダーで得られる情報量が少なすぎて、やり辛さもありますが時代背景にそぐわな過ぎて雰囲気をぶち壊しているところが気になります。

表示されるものは敵と味方NPCの位置と味方NPCの健康状態、武器の位置だけです。せめて地形や障害物のフレーム表示と、敵とプレイヤーとの高度関係の表示も盛り込んでもらいたかったところです。

■ その他たくさん書ききれないぐらいありますが、このへんで終わります。

パーツが噛み合えば「悪い点」が「良い点」に化けたはずなだけに、惜しい一作です。


ヴァンキッシュ 公式

Paris発、はじめてのキッシュ ([バラエティ])
ギルガメッシュLIGHT 壇蜜湯 ぷるるん温泉 寝起きドッキリ いや~ん旅行 カーウォッシュバトル まなみんのお化け屋敷探訪 テレビはダメだけどDVDならまあいっかSP