Mighty No. 9 の感想

2016年6月24日 カテゴリ: ゲーム, レビュー

2016年6月21日にダウンロード専用ソフトとして発売されたアクションシューティングゲーム
『Mighty No. 9』
PS3版の感想です。



総評

/10点




2Dスクロール型のアクションゲームで、過去の名作ロックマンシリーズを土台としている。

購入に至った理由は、単にマリオやロックマンやクロノアみたいな2D系のアクションゲームが好きということと、日本人ががんばって作ったということで応援したかったということです。

そういう一プレイヤーからの素直な感想を書きますが、あまり細かい点には触れません。切りが無いからです。

購入を検討している方がおそらく知りたいであろう事を中心にまとめます。

中身を読むのが面倒な場合は、太字だけ読んでも大体わかるようになっています。

処理落ち頻発で快適に遊べない。

PS3版のみプレイしたので他のハードでも同じかどうかは分かりませんが、PS3版では処理落ちが酷くまともに遊べません。

キャラや背景がカクついて瞬間移動するので、操作が非常に難しい。

即死ギミックがある場合、コマが飛ぶのでプレイヤーからは死んだ場面が見えずに突然終了ということも普通に起きます。

実際のプレイ動画ではスムーズに動いているように見えるところでも、プレイしていると分かるのですが、細かく処理落ちしてカクつきモタつきが発生している感じで、常に操作とキャラの連動がギクシャクしている感覚があります。

そのため、スムーズに動いている場面であっても、いつ処理落ちが発生するかわからない、操作と見た目のズレが発生するかわからない、という不安が常につきまとうので、ゲームに集中することができません。

こういう状態なので不快感からストレスを感じながらのプレイになるため、全体に渡ってとても快適なプレイができるとは言えない作品になっています。

また、折角ステージを覚えても、処理が落ち着くのを待ってから進まないといつ理不尽な死に遭遇するかわからないので、サクサクと軽快に進めて爽快感を味わうことは出来ません。

例えば仕事中なり勉強中なり、忙しい最中に対応を雑に出来ない相手から世間話をされ続けたら集中できないでしょう。そんな感じです。

難易度は難しい。

難しいです。

これ系のアクションは明らかに人並以下と自覚している方は、クリアできない恐れがあります。

イージーモードが無いんですよ。

ということで、ノーマルでクリアできなければもう終わり、ということになります。

ただし、難しいの意味合いが少々違う面があって、常に発生している処理落ちがなければそんなに難しい気もしないでもない…という印象です。

しかしながら、タラレバ話などしても意味がないので、いろんな意味で難しいと言う他ないといったところです。

ステージ設計や敵の挙動などが大雑把

Mighty No. 9を遊んでみて気になったのは、ステージの構造や敵の出現や挙動に意味を感じない点です。

このゲームの元になっているロックマンといえば、そういった部分の作りで秀逸で、プレイヤーがこういう動きをするだろうと予測しながら作りこんでいるギミックが素晴らしいゲームです。

ということで、初見殺しであっても適切な対応を見極めて進めていく、一種の謎解きのような面白さが好きな部分でもありますが、このマイティにはそこまで計算されつくされたような作りがあまり見受けられません。

なんとなく間を埋めるように敵が配置されているだけだったりということで、別にそれ自体は悪いことではありませんが、一つ飛びぬけた評価にはなり得ないところです。

プレイヤーキャラの操作感は素晴らしい

素晴らしいです。

ロックマンかクロノアか、とにかく操作していてその挙動は楽しいです。

しかしながら、こういった素晴らしい点も、処理落ちのせいで台無しになっているのが勿体無いところです。

サウンドがおかしい。

ゲームを初めて起動してまず最初に気になったのはサウンドでした。

特に音楽が好きというわけではない人でも、おそらく違和感を感じるのではないかというくらいBGMとSEとセリフのバランスがおかしい。

BGMの音量が異常に小さく、SEとセリフが大きい。

BGMの音量は、通常の録音物に見られる音量の40%程度が最大音量になっています。小さすぎます。

この酷いバランスのせいで、曲の良し悪しに関わらずBGMの印象が残らないのと、セリフが浮き過ぎて臨場感が無くお寒い感じがします。

ということで、実際にサウンド設定を開いて自分で調節した方がいいのですが、例えば【BGMを最大、SEとセリフを半分】という方向で設定すると、BGMの最大音量は一般の音楽の40%程度しかありませんからオーディオ機器のボリュームを上げなければいけなくなります。

一見これで解決のように見えますが、こうするとトロフィーを取得した時にその通知音が爆音で流れて心臓止まります。

もうね、しょーもないんですよほんとに……。

BGMはリズム&メロディ主体が多い

このMighty No.9の元になっているロックマンといえば、過去作品においてゲーム音楽の名曲と言われるものもあるのでそれについて触れておくと、30曲程度あるBGMの殆どはズンズンズンとかスッチースッチースッチー(ズンブングンみたいな)というリズムもので、且つ、メロディ主体の楽曲になっています。

90年代あたりに多かった気がするフュージョン好きが作るDTMなサウンドのような感じがします。

非常に抽象的な音楽というものについては、個人の好き嫌いが強く左右するところがあるので、ハマる人はハマるでしょう。

個人的に受けた印象を言うと、遊び心が無く薄味でした。

理由は、リズム主体の曲にも関わらず一曲の中で一本調子なものが多く、リズムとバックのパターンをベタっと敷いてそこにキーボードでなんとなくメロディっぽいものを乗せただけのような曲が多いからです。

従ってメロディものであるにも関わらず必然的にメロディが弱くなるので、総じて印象にも残らなくなります。

BGMのレパートリーとしては、映画音楽によくみられるような、サウンド全体の響きそのもので雰囲気を演出していくようなものや、ファミコンと違って様々な音色が使えるのですからもっと音色やフレーズで情景描写したり意外性を持たせるもの、リズムアレンジが面白いもの、リフのかっこよさだけで押すようなものといったように、もっとはっきりした差を持たせたタイプが揃っていたら面白かったのではないかと。

どのステージでどのBGMが流れていてもいいんじゃないの?っていうくらい似たり寄ったりで特徴が薄いように感じます。

一部素人臭い声が…

どのキャラクターとは言いませんが、普通にプレイしている中で「そのしゃべり方なんかおかしいんじゃ……?」と違和感を覚えるものがあります。

なんでしょうね……、台本持ってマイクに向かってセリフを読んでるような雰囲気で……。

ということなので、映し出されている映像の場面と声の空気感が全く合わなくて臨場感の無さに突き放されてしまいます。(これは全体的に言えることでもありますが)

例えばそんなキャラじゃない人が突然目の前で「ピーマン残す子はおしおきしちゃうぞぉ~」なんて低い声色で霊のモノマネでもしながら言ってきたら、なんだかいたたまれない気持ちになりませんか?

せめてBGMの音量がもっと大きければ、まだいくらか隠れて救われたのかもしれません。

グラフィックは古い

わりとギタギタ感があってPS無印とまでは言いませんが、PS2くらいの印象を受けます。

反射の表現の仕方の問題でしょうか?キャラの淵沿いに白くギタギタしているので、雑コラに見えるんですよね。

また、会話シーンであってもクチパク無しのにじんだ顔面一枚画なので、なおさらセリフがナレーションにしか聞こえなくなって浮いてしまっています。

ボス戦は面白い

ボス戦だけは面白くて、やり応えもあります。

勿論、処理落ちが無ければの話ですが。

5点の理由

5点にしたのは、あくまで処理落ちがなかったらという前提での得点です。

つまんないゲームではありません。

しかしながら、頭一つ飛び出たような凄い部分があるわけでもありません。

また、サウンド面で際立って不自然なところがあるのも大きなマイナス要因です。

なぜならこんなにサウンド面で違和感を感じるゲームはそう無いからです。

ぱっと思い浮かぶのは、『地獄だい好き Hell Yeah!』の音割れしまくっているBGMぐらいのものです。

全体的に「雑」なんです。冒頭で「細かく見ると切りが無い」と断ってあるのはそういう事です。

こんなに処理落ちが酷くてストレスを感じる完成度だと分かっていれば買わなかったです。

5メートル進むごとにエンストする車なんて買わないでしょう?(←一応走りはするけどさ!)

ハエが集ってる牛丼を食べに行かないでしょう?(←一応食えはするけどさ!!)

楽しく乗れない!楽しく食えない!!

ということです。



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