地獄だい好き Hell Yeah!の感想

2015年3月9日 カテゴリ: ゲーム, レビュー

2012年10月3日にセガからダウンロード販売専用ソフトとして発売されたアクションゲーム
『地獄だい好き Hell Yeah!』
PS3版の感想です。



総評

/10点

地獄だい好き Hell Yeah!

マップ探索型のアクションゲームで、難易度は「超」が付くほどのヌルゲーです。

そして、ゲーム、アニメ、童話など様々な物からネタを集めて作られている、いわゆるパクリg…いやいやネタゲーなので、ネタ元が何なのかわからないと見ていて面白くもなんともありません。

この手のマップ探索型のアクションゲームで非常に良く出来ているものといえば、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』がぱっと思い浮かびますが、簡単に言うとそれの超劣k…簡易版といったところです。

「探索」というほど道順や仕掛けがあるわけではないんですよ…。

その理由は、とにかくゲームとしての調整が出来ていない、というかたぶん「してない」という部分が目立ちすぎることです。

そういった大きな原因から、色鮮やかなエフェクトがありヌルゲーということでサクサク進める爽快感を演出しているゲームなのかと思いきや、爽快感がありそうで無い、そんなゲームになってしまっています。

一番驚いたのは、一部のBGMが音割れしまくっているところですかね……。

だいたい最初のサウンドロゴの「セーガー」からして汚い爆音で流れて驚かされ、しかもエンディングで全力で音割れしまくった歌物が流れてきたところでKO……。その後、死体蹴りと言わんばかりに……詳細は以下の悪い点に書きます。

セールで500円か400円ぐらいで買ったんですけど、200円ぐらいが妥当ではないかという気さえしてしまっているというビックリゲーです。


良い点

色鮮やかにデフォルメされた演出が面白い

ゲームの画面全体的にも鮮やかな色合いでまとめられていて楽しげな雰囲気を作り出していますが、101体いるボスを倒した直後に出るミニゲーム含む演出が楽しい。

QTEが頻出しますが、QTE大嫌いなファゲでも許せるレベルの難易度とペナルティなので特に悪い点としてはあげません。

逆に意味が無いという、そんなQTE…。

だいたい30体ぐらい倒したあたりから、ミニゲームや演出が同じものが出てくることが目立ち始めるため、このあたりからどうでもよくなってきます。

最初は、こういう演出で楽しませて最後まで持って行く作りなのかと思ったので、このあたりは力を入れて違う演出を作っていてもらいたかったところです。


悪い点

爽快感がありそうで無い

最初はホイールという自分が乗っている乗り物で敵を削り殺したり、武器を使ったり、といったように場面に応じて使い分けて飛び回ってガンガン進んでいくのかと思いきや、『ゲームの仕様上』すぐに遠距離攻撃一辺倒になってしまいマンネリのまま淡々と進んでいくことになるので、最初に爽快感がありそうと感じさせてくれたあの勢いは一瞬で無くなり、同じ調子で進んでいくだけのかっっっっっっっったるさに呆然とさせられます。


操作性が劣悪

操作、ボタン配置が酷すぎて、プレイヤーが思い描いているようなプレイができない、出来づらくしてあるため、これも爽快感を失わせる原因になっています。

主にジャンプ攻撃がやり辛いことを指しています。

ジャンプが○ボタンで、攻撃がRスティック+R2なんです。

つまりジャンプ攻撃をしようと思うと、○ボタンを右手の人差し指で押さなければいけなくなります。

やって出来ないこともありませんが、やはりミスが出やすくなるため、そのうちサクサク進むことを諦めて、一旦立ち止まって遠距離攻撃で倒してから進む、というプレイスタイルになっていきます。

これ、おそらく意図的にこういうプレイしづらい操作にしてるんですよね。

ごく稀にありますこういうアホ操作設定のゲーム。

そういうスムーズなプレイが出来ないようなボタン配置にすることで、「ほらゲームになったでしょ」と言う考え方なんです。

そうじゃないでしょ、と一言だけ……。


説明不足や調整不足による理不尽な死

ボスを倒した直後にミニゲームがあり、それに成功するとちゃんとボスを倒したことになります。

そのミニゲーム、中にはゲームの説明文を読んでいるうちにゲームが始まり何もできないうちに失敗で終了……、そしてまたボスと戦う羽目に。

また、チャンレジというやり込み要素もあるのですが、これも酷い。

例えば、『○○秒以内に7匹の敵を撃ち殺せ!』という説明でゲームが始まります。

そして、画面はまっくらで、その中で照準を動かして敵を見つけることになります。

まずこの時点で、敵を見つけられずにタイムオーバーで終了になることも。

そして、そのうち暗闇の中に敵が固定沸きしている事に気づきますが、画面がまっくらなのでちょっと操作を誤ると、もうどこに照準を合わせているのかわからなくなり、さまよっている内にタイムオーバーで終了。

つまり、最初の説明文からだと、できるだけ早く正確にスナイプするゲームだと思うわけですよ。ところがふたを開けてみると、運ゲーと思わせてからの暗記ゲー。

『○○秒以内に7匹の敵を見つけ出せ!』でしょ。

コミュニケーションが苦手な人と向き合ってるかのような感覚に襲われます。


それ以外には、武器がいろいろとありますが、ほとんど同じ武器だけで済んでしまい、その他の武器が空気になってしまうようなゲームの調整不足。

「不足」というか『してない』という感じがします。


音割れ

上の総評で少し触れたことです。

サウンドに関しては、おそらく今までプレイしたゲームの中で最悪です。

その理由は、音割れです。

ゲームを起動して最初に鳴る「セーガー」の声。

とにかく音がノイジーな汚さでしかも爆音!

ビクッとなります。

大音量なのに加え音が汚いのでゲーム起動直後から不快感に襲われます。

ゲーム中はBGMだけで常にクリップ状態。バリバリ割れるまではいかないにせよ、そこに効果音が加わるわけですから、とにかくやかましい。やかましい。やかましい。

そして、エンディングで最初に流れる歌物の曲が、音割れしまくっていて酷い。

アマチュアどころか素人でもやらないようないい加減な仕事を普通にやっているのでかなりショッキングです。

プロでもピークに達して部分的に音割れしていることはありますが、このゲームのエンディング曲は酷い。部分的どころではない。

歌ってる部分は頻繁にバババッと音割れし、コーラスまで入ってきた時は全力でバババババ!!

そして更に……

エンディングが長い!!

10分か15分かそれ以上か、とにかくエンディングが長い。しかもその音割れした歌物に続いて常にクリップしたロック調の曲がひたすらリピート再生されるだけなので、とても演出や制作などと呼べる代物ではない。しかも、最後は途中で切れて終了。

エンディングが長い原因は、エンドロールの流れる速度が異常に遅いことにあります。

とにかくトロトロトロトロと牛歩戦略よろしく流れるため、エンディングが長くなっています。

本当に酷い。これだけ「酷い」と言ってもまだ言い足りないほど酷い。


ゲーム設計が未熟

倒したボスを別のマップに送って、そこでアイテムなどを生産させることができるのですが、このマップに移動するために、一旦ゲームを終了してタイトル画面から入りなおさなくてはいけないというとんでも設計。

それが終わったらまた終了してタイトル画面へ戻ってゲームをコンティニュー(ロード)しなおして再開しなければいけません。

「ぼくのなつやすみ」で虫かごの中を見るのに、いちいちゲームを終了してタイトル画面から「虫かご」を選択して見る、ということを想像してみてもらいたい。そして見終わったら終了してまたタイトル画面からゲームロードして……

……そんな感じです。

また、やり込み要素のチャレンジをする際、そのマップ内に入ってチャレンジが開始される場所から始まる、というのはいいのですが、終わってからマップから出るために出口まで移動しないといけないのが本当に疲れます。

だからクリア後のやり込みとしてチャレンジだけしに各マップを回るのが嫌になります。

このせいで途中でやめてしまいました…。

もう何も言えない……


体力が回復しない

基本的に死んだ時の体力に戻って復活するので、即死罠で即死した場合は体力満タンの状態から再スタートできますが、ジワジワ削られて死んだ場合、体力が設定されている最低ラインから始まることになるので、また同じところで死ぬ、という若干ハマリぎみになることもしばしば。

そう、この体力が回復しないで復活する仕様のせいで、ヌルゲーのくせに行き詰るなんていう事が起きます。

だからなおさら不快感が増すんですよ。

ゲームオーバーという仕組みが無いので、再スタートした時に体力が回復しないという設定にした意味が全くわかりません。



他にもロードが長いことやホイールの乗り降りに妙に時間が掛かるなど様々な雑な作りがあります。

残念なことに、このゲームをプレイして思ったのは、
あぁ、もうセガって無いんだ……
ということです。

そして購入を検討している方に一つアドバイスするとしたら、
500円持ってるならハーゲンダッツでも買った方が幸せだよ
です。



ジェットセットラジオHDのプレイ動画を配信開始


グランド・セフト・オートV PS4 北米版
Grand Theft Auto V(北米版)
グランド・セフト・オートV PC版
グランド・セフト・オートV(初回生産特典:ゲーム内通貨GTA$100万ドル分の DLC同梱)