ゲイングランドの感想

2015年6月26日 カテゴリ: ゲーム, レビュー

2013年5月15日にセガからPS2アーカイブス(ダウンロード専用)ソフトとして発売されたアクションシューティングゲーム
『ゲイングランド』
PS3版の感想です。



総評

/10点

ゲイングランド Gain Ground

点数が「1」なのは書き間違いではありません。本当に「1点」です。

なぜかというと、自分で縛りを決めないとゲームにならないからです。

ではこの1点は何かというと、自分で縛りを決めればかろうじてゲームになるからです。

範囲の狭い限られたマップ上の敵を倒しながら、又は無視しながら通過するとクリアになり、それが次々に出題される、というタイプの構成になっています。

その途中で囚われている味方がいるので、助けながらマップを通過することで、次のマップからその味方も操作できるようになります。

そうして仲間を増やしていくことにより、最終的にプレイアブルなキャラはけっこういますが、使える優秀なキャラは限られています。

このゲームの基本的な遊び方は、どの能力を持ったキャラをどの順番で使っていき、フィールド上の敵をどのような順番で倒していくかを考えてクリアしていきます。

例えば、手持ちのキャラがA(移動速度が速い)、B(高高度攻撃が出来る)、C(標準タイプ)といたとします。

Bのキャラで高台の敵を一掃して、Bはひとまずマップを通り抜ける。

続いて、Aのキャラでフィールド上の捕虜を助け、そのままマップを通り抜ける。

最後に、Cのキャラで残りの敵を一掃しながらマップを通り抜けてクリア。

といったような具合です。

キャラを出す順番を間違えると上手くいかないという仕組みです。

ここまではいいんです。
非常にいい~~~んです。

しかしながら、この良い仕組みを台無しにする要因が複数あります。

まず問題は、キャラが沢山いても、ステータスの高い使えるキャラが限られているため、使用するキャラが偏る。

次いで、一度死んだキャラは復活しないため(デフォの3人のみ復活)、その優秀なキャラが死ぬとほぼ無理ゲーと化すか、又は無駄に手間暇が掛かるだけのメンドイゲーと化すか、又はひたすら逃げ回ってゴールを目指すだけの戦略も何も関係ないごり押しゲーと化す。

更に、コンティニューが無限(※以下、悪い点にて詳細)なため、死にまくりながら運がよければマップ通過できるんじゃないの~的に、ダラダラとステージをこなしていくだけのグダグダ作業ゲーと化す。

つまり、最後までゲームとしてクリアするには、誰一人として死ぬことなくノーミスで行かないといけない事になるという無茶苦茶な設計になっています。

公式サイトに『アーケード版の緻密なゲームバランスは、可能な限りオリジナルのアーケード版を再現しています』とありますが、これはプレイヤーのキャラが全て揃っている状態での話であれば分かりますが、主要キャラが死んだら手順を考える戦略性は無くなりアクションシューティングも機能しなくなり(物理的に攻撃不可能な位置関係や状況にもなります)これをゲームたらしめる要素が一切無くなってしまうので、ゲーム全体のバランスが良いということではありません。

こういう作りのゲームは、まさにアーケードならアリなんです。

アーケードなら例えば100円を入れてプレイして、その「1プレイ=一度きりのチャレンジ」として死んでなるものかと必死になります。

だからゲームとして成立するんですけど、1プレイごとにお金を出すわけではない家庭用機ではそんな緊張感はありません。

冒頭で「自分で縛りを決める」と言ったのはこういうことで、最後までノーミスでいくぞ!コンティニューはしないぞ!一人でも死んだら今日はおしまい!と縛りプレイをしない限りはゲームにならない仕組みになってしまっています。

ノーミスクリアなんて、よほどこのゲームが気に入ってやり込みまくった人ならともかく、初めてプレイするプレイヤーが最初からそんなマゾい縛りをすることはまず無いのではないかと…。

そして、酷いゲームバランスにグダグダになって嫌気が差してやめてしまいます。

一度でもコンティニューする羽目になったら…というより高性能キャラが一人でも死んだら、その後はラスボス倒してゲームクリアするまでグダグダ確定なので、コンティニューが出来ない設計だと過程すればゲームとして成立しています。

その場合、難易度は激ムズということになります。

戦略性は高いということはないので、どう攻めていいのか分からないという状況にはならないかと。

必要なのは、縦、横、斜めのラインをドット単位とまでは言いませんがかなり正確に見極められ、お互いの射程と距離感をしっかり把握でき、敵が移動する先目掛けてタイミングよく射撃するプレイヤースキルが必要です。

並々ならぬゲームの腕だけでなく、初見殺しもあるので強靭なハートを持っていることも必要です。

昔ゲームセンターでよくやったなぁという人や、腕とハートに自信アリのゲーマー、ハズレゲー大好きといったような人でないと、買って損した気分になるかと思います。


良い点

アイディアは良かった

性能の違う味方を適所で使っていくところは楽しいものです。

しかし一度死ぬと二度と復活しない(そのステージをクリアしても復活しない)仕様が、ゲームのバランスを崩しており、また、そこから先のステージの戦略性をなくしてしまう状況にしているところが非常に残念です。

ステージをクリアした時に復活する仕組みだったら、また新しいステージでどのように攻略するかを考える戦略を楽しめるゲームになっていたはずです。


悪い点

無限かと思いきや有限なコンティニュー回数

死ぬほどコンティニューできます。

ですから、無限にコンティニューできる仕様なんだと思っていると不意に「終了」が来ます。

グダグダとごり押ししながらラスボスまで行きましたが、ラスボス戦でそれが来ました…………。

もうそれ以来プレイしていません。

ラスボスまで行ったのにクリアしていないという初めてのゲームになりました。

にもかかわらず、一片の悔いなし!!

復活しないキャラ

仮にアーケードで早くプレイヤーを殺してお金を使わせたいが為にこういう仕組みを導入したのなら、理屈としては分かります。

しかし、家庭用機にはそぐわない仕様で、ゲームの良い部分を根こそぎ駄目にしてしまっています。

高性能キャラが死んだ後の残り全てのステージの戦略性が失われるという状況を招いています。


そんなゲームになってないゲームでも、なんとか面白く見られるプレイ動画を作ってみようとしましたが、モチベーションが保てず3つ目で終了しました。

戦場リポーターのジジさんが「主要キャラが死んだらゲームにならない状況」を回を重ねる毎に遠まわしに明かしていくシナリオを考えていましたが……。







さらば、ゲイングランド。



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