ブラザーズ 2人の息子の物語のレビュー

2014年1月29日 カテゴリ: ゲーム, レビュー
ブラザーズ 2人の息子の物語 [BROTHERS - a Tale of Two Sons -]

総評

既にXBOX360にて発売されているもので、2014年1月28日に PS Store でもPS3用として配信となったアドベンチャーゲームです。

古めかしい田舎町が舞台になっており、父の病を治す水を二人の息子たちが探しに旅に出るという内容です。

このゲームの一番のウリは、二人のキャラクターを一人のプレイヤーが同時に操作することです。

しかも操作が非常に簡単。下の画像にある通りで、コントローラーの左半分が兄、右半分が弟になっており、カメラ移動は殆ど使わないので実質アナログLRとL2R2の四つで遊べるようになっています。

ブラザーズ 2人の息子の物語 [BROTHERS - a Tale of Two Sons -]

で、この簡単な操作で何をするかというと、言葉にすると「アクション」と「パズル」になりますが、どちらもシンプルすぎて「アクション」と言うほどのものではなく、また、「パズル」とも言い難いものになっています。

ということなので、各所で紹介される際には「謎解きアクションアドベンチャー」などという言葉が使われるかもしれませんが、「アドベンチャーゲーム」で短い童話を一冊読むぐらいのものと捉えておいた方が無難です。

体験版をやっても分かるように、二人のキャラを同時に操作する感覚は非常に新鮮で、脳が目覚めるかのような感覚を覚えます。

楽しいです。

特にスムーズに両キャラを動かしてサクサク進められた時は気持ち良いです。

しかし残念なのは、「ゲームをする」という視点からみるとそれだけになってしまっているところです。

体験版をやってみてこの気持ち良さに気づき、よりエキサイトできる内容を本編に期待しますが、その体験版が全てでそれ以上のものはありません。

やり込み要素は一切なく、お話を一回読んでおしまい、本当にそういう内容です。

そのストーリーについては、病気の父親を治す水を採りに行くという驚くほどシンプルな内容になっています。

「まんが日本昔ばなし」の方が複雑です。

ただ、ゲーム全体の空気感、雰囲気は非常に良く、おとぎ話のような柔らかめのデザインながらも、どこか氷のように冷たい空気感が漂っています。

プレイ部分は簡単、ストーリーは短い、やり込み要素ゼロ、トロフィーも簡単、ということで5時間程度で終わるぐらいのボリュームです。

薄い絵本を一冊1,500円で買う、という感覚に近いものがあります。損をしたという気にはなりませんが、満足感もまったくない、そんなゲームです。


良い点

ゲームのアイディア

コントローラー1個で2人のキャラクターを操作するというアイディアは素晴らしいです。他に無いということではありませんが、珍しいタイプではあるので、操作が複雑化している昨今のゲームの中では息抜き的な存在になれそうです。

例えば下の画像のように、時には兄弟ばらばらになってそれぞれの役割を果たして先へ進みます。

兄がフックにぶら下がってレール上を流れていけるように、弟が障害になっている扉を開けます。

ブラザーズ 2人の息子の物語 [BROTHERS - a Tale of Two Sons -]

ちょっとした大物戦。兄が囮と攻撃の役目で、弟が攻撃の隙を作る役目です。

ブラザーズ 2人の息子の物語 [BROTHERS - a Tale of Two Sons -]

雰囲気

柔らかい質感に郷愁感を漂わせながらも、どこか氷のように張り詰めた雰囲気を匂わせている空気感の作りは非常に見事です。

既存の言語を使わない演出

ゲーム内独自の言語をモゴモゴ喋っている音声が入っているだけで、基本的にはキャラクターたちの動きで会話の内容を表現しています。

こういう演出は非常に素晴らしいところですが、やはり単発的でシンプルな内容しか表現できていないところに限界を感じます。

こういう手法をとったからこそ、本編のストーリーも彩りが寂しい骨むき出し状態にならざるを得ないのかもしれません。

また、ゲーム内の架空の言語とはいえ、世界観を強固にするものにはなっていないところが作りこみの甘さを感じます。「風のクロノア」ぐらいのレベルで出来ていてもらいたいところです。

既存の言語を使わない演出は、良い部分でもあり、悪い部分でもあり、といったところです。(ローカライズが簡単になるっていうのが第一目的かもね)

トロコンが簡単

トロフィー集めは非常に簡単です。一つだけ操作の不自然さが原因で見つけにくいものがあるだけなので、おそらく攻略サイトを見なくても自力でコンプリートできた人もけっこういそうです。

ちなみに、プラチナ・トロフィーはありません。


悪い点

何も無い

ストーリー以外に何も無いところです。

サイドストーリー無し、やり込み要素無し、周回要素無し、アクション要素はほぼ皆無、謎解き要素もほぼ皆無。

こういった作りは「アニメのキャラを操作できる喜びだけで満足しろ」的なキャラゲーに近いものがあって、「2キャラ同時操作が出来るだけで満足しろ」という内容になっています。

ストーリーが単純&短すぎる

「童話のような」と言えば聞こえはいいかもしれませんが、実際の童話の方がもっと手の込んだ複雑なストーリーです。

せめて一箇所ぐらい印象に残るシーンが欲しかったところです。

アクション要素が簡単すぎる

アクションボタンを押すと勝手に仕掛けを動かしてくれますし、歩いて飛び越える岩場の隙間などはアクションボタンを押さずにアナログスティックを倒しているだけで渡れる仕様になっています。

落ちたら死ぬ、襲われたら死ぬ、というような死ぬ要素はあるため当然それを回避する行動はアクションと言えますが・・・。なんだろ、セミオート・アクションとでも言ったらいいのかな・・・。

ボスクラスの敵も初見クリアが可能です(2キャラ同時に動かさなければいけないと思いきや、実は1キャラずつ動かせば攻略できる仕組み)。万が一死んでしまっても、二度目で間違いなくクリアできるかと。

これを「アクションゲームです!」と言われてもちょっとうなずき難いものがあります。

パズル要素が簡単すぎる

例えば、体験版にある上がった橋を下ろして渡るという謎解きの部分。

弟キャラで水車を回して橋を下ろし、兄キャラで橋を渡って対岸の羊を1頭連れてきます。

ブラザーズ 2人の息子の物語 [BROTHERS - a Tale of Two Sons -]

連れてきた羊に水車を回させて橋を下ろし、その橋を渡ってこの部分の謎解きは完了です。

ブラザーズ 2人の息子の物語 [BROTHERS - a Tale of Two Sons -]

この橋を渡る部分は序盤に登場します。この先どんな謎やアクションが出てくるのかと期待しましたが、これ以上に難しい謎解きは出てきません。これと同等ぐらいのものが1,2ヵ所あったような無かったような・・・。

この仕掛けがトップレベルの難易度であるゲームを、はたして謎解き、パズルと言っていいものかどうか・・・。

頻繁にカクつく

頻繁にオートセーブが入ります。それは良いのですが、困ったことにその度にカクつくのがあまり良い気持ちがしません。

たまにフリーズする

ロード中、スタートボタンからメニューを開く時にフリーズしました。6時間もプレイしていない中で2回のフリーズはちょっと気になります。

データロード時に問題があるのかな?



公式サイトなどを見ると、同じ言葉の重複だったり言葉少なかったりするところが目に付きますので、そういったところからもこのゲームの内容を推察できるかと思います。


ブラザーズ 公式

PlayStation Vita Wi-Fiモデル ブラック (PCH-2000ZA11)
ニンテンドー3DS ライトブルー

このゲームのCERO対象年齢は17歳以上なんだね・・・。何かが違う気がする。