ゲームのシナリオのレベルが上がってきた

2013年7月23日 カテゴリ: ゲーム, シナリオ

最近、ゲームのシナリオのレベルが上がっている。ファミコン時代なんてオマケ程度であってないような物でどうでもいい扱いだったのが、15年ほど前からシナリオに力を入れる風潮が強くなってきて、今では映画と同等以上のものまで出てきている。単純に「観るだけの娯楽」と「プレイする娯楽」のシナリオを同列に比べることは出来ないけど、楽しんだ後の満足感でいうとそんな印象を持てる。

「悪者をやっつけろ」や「お姫様を救い出せ」や「地底にある謎をさぐれ」みたいな単純なものだった頃は、特にそれに対して深く疑問をもつこともなく「よし助けるぜ!」みたいな勢いだけで遊んでいた。

その後、ちょっと色気づいてきて友情や愛情などの心理描写や自然かつ意外な展開やドラマティックな展開などが入ってくるものになると、「それおかしくない?」といった疑問も出てきてしまう。例えば風のクロノアでは、可愛く純粋なキャラに描かれているヒューポーは、冷静に(普通に)ストーリーを見ていくと病んでるキチガイなマセガキになってしまっているというおかしさがあり、FF8ではそんなに思いを通わせていたわけでもないのに突然主人公がヒロインの名前を連呼するほど恋焦がれていたりと、そんなツッコミどころ満載なものが普通に存在する。

単純にファンタジーの世界観の設定に関してはよく出来ていたけど、その他が出来ていないので結局子供向け番組レベルの内容になってしまっている感じです。

そんな時期を通ってきて今のゲームはというと、ラスト・オブ・アスのようなしっかりしたヒューマンドラマを描けるまでになっている。

映画のクオリティが駄々下がりということもあって、ラスト・オブ・アスを遊んだ後では映画よりも満足度、充実度がずっと高く感じられる。

ラスト・オブ・アスの凄いところは「プレイする映画」というような新しい娯楽を一つ完成させた感があるところ。映画コンプレックスでもあるんじゃないかっていうぐらい「映画のような映画のような~」な方向にもっていった挙句お粗末な内容の映画まで作っちゃって肝心のゲームは衰退の一途を辿る悲惨なことになった元スクウェアとは大違いです。

ちなみに当時この映画を観た感想は「ゲーム会社の人がどういうCG作ってるのかに興味がある人はいいけど、映画として観にいくものじゃない」でした。

月日が経つに連れ徐々に素晴らしいシナリオのゲームが増えていっていることを実感できているので、ゲーム離れが進んでいる昨今ではあるけど今後各制作会社がゲームを使ったどういった娯楽を生み出してくれるのか非常に楽しみです。

ゲームシナリオの書き方 基礎から学ぶキャラクター・構成・テキストの秘訣 (NEXT CREATOR)
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